「香りの力でリラックス。
心地よい安眠へのアプローチ」
「睡眠負債」という言葉が少し前に流行ワードとなりましたが、良質な睡眠をとることが、健康や美容のためにも非常に重要だということがわかってきています。そのための方法として、前回はインテリアについて、今回は、安眠へのアプローチに有効とされる香りの力(アロマテラピー)についてお伝えします。
嗅覚は人間の器官の中でも特に古く、約0.2秒と、一瞬にして大脳に直接伝わることから、安眠への手軽なアプローチ法の1つとして、香りの効果が今注目を集めています。アロマテラピー(芳香療法)では植物のエッセンシャルオイルを使うということは、皆様よくご存知だと思います。これは、たくさんの芳香成分の塊で、水に溶けにくい、揮発性がある、分子量が小さい、などの性質を持ち、成分それぞれが薬理的な作用を持っています。主に柑橘類の果皮や花、枝、樹脂、葉っぱなどから抽出されます。様々な薬効を持つエッセンシャルオイルですが、その中でも特筆すべき効能として挙げられるのが、中枢神経を鎮め、気持ちを落ち着かせる「鎮静効果」です。
副交感神経優位に導く方法として、呼吸法も有効ですが、香りを一緒に取り入れると、より深い呼吸をすることができて、心も体も芯からリラックスし、緩めることができます。鎮静効果の代表的なエッセンシャルオイルといえば、ラベンダー。酢酸リナリルとリナロールという成分が全体の7〜8割をしめており、吸引すると体を鎮静させるセロトニンが分泌されることがわかっています。抗炎症効果や免疫力を高める効果など、マルチに活躍するラベンダーは1本あるととても便利。
使い方としては、芳香器を使って部屋に炊いてもいいですし、枕に1、2滴垂らしたり、アロマスプレーにして部屋に噴霧しても効果的です。また、ハンドクリームやボディオイルを活用するのもオススメ。鎮静効果のあるエッセンシャルオイルはいくつかありますが、効能に囚われすぎるのではなく、大切なことは自分が“心地よい”と感じる香りを使うことです。まずは自分が好きだな、リラックスできるな、という香りから取り入れてみてください。